リスケジュールや借換保証で万が一の資金ショートを避けよう!

スケジュール

【リスケジュールとは】

意外と知られていないリスケジュールという手法があります。借入金の条件変更を行うことをリスケジュールといいます。

実は借入金の返済はストップすることが可能なのです。

過度な借入等により返済に苦慮した場合、返済期限の延長などを金融機関等に申し込むことが出来ます。例えばその結果、毎月の返済金額が100万円減少すれば、一年間で1,200万円のお金に余裕が生まれたことになり、それはつまり1,200万円の融資を受けたことと同義になります。

このリスケジュールは、金融機関にとっては予定通りの返済が出来ていない不良債権として扱うことになってしまうため、金融機関からの企業の評価にとってマイナスな影響を与えてしまいます。もっといえばリスケジュールをしてしまうと、その後の追加融資を受けることが難しくなってしまいます。

そうはいっても、返済することが出来なければ企業は倒産してしまいますし、金融機関にとっても貸付金が回収できないため困ることになります。

リスケジュールは企業にとっては極力避けたい事象ではあるのですが、ここぞというときの危機的状況を乗り越えるために使われる手段でもあります。

 

【リスケジュールの流れ】

まずは借入先である金融機関に借入金の条件変更のお願いを連絡しましょう。早急に伝えるべき事項であるためまずは電話で伝え、そしてその後に直接金融機関に出向き説明しましょう。

まず早急に伝えることが大切で、金融機関を説得するために資料が必要であるため、その際にどういった資料が必要かを聞いておき、直接出向く際に持参します。

なお通常は以下のような資料が必要です。

  • 現在の状況の説明
  • 現在の返済条件と希望している返済条件
  • 今後の経営改善策及び改善計画書
  • 決算書
  • 資金繰り表

 

金融機関としてもそう簡単に受け入れるわけにはいかないため、十分な説得を出来るだけの資料や根拠が必要です。

「この条件ならば返済していける」という堅実な提案をすることも大切ですが、それより重要なことは経営改善計画です。いかに説得力のある経営改善計画を提示することが出来るかによって、金融機関も条件変更を受け入れやすくなります。これには企業側も痛みを伴わないと説得力が生まれません。つまり企業側にはリストラクチャリングが必要になります。

リストラクチャリングは以下のような視点で検討していきます。

  • 役員報酬のカット
  • 売上増加に向けた改善策
  • 採算の悪い事業の廃止または改善
  • コスト削減に向けた改善策
  • 人事制度改革や雇用体系の見直しなどで人材面の改善
  • 不良債権の解消

 

こういった視点から、どのように業績を回復させ返済を可能にするかの道筋を説明する必要があります。この経営改善計画をもとに返済プランを考えていきましょう。

 

【融資を受けることが出来なくなるのか】

こうしてリスケジュールが成功したとして、リスケジュールをしていると金融機関からの評価が厳しくなり追加の融資を受けることが難しくなってしまうとご説明しました。

しかしご安心ください。それは一時的なものです。

確かにリスケジュールをすると追加の融資を受けることが難しくなってしまうのは事実です。ですが上記のように経営改善計画をしっかりと作成し、それによって経営改善を行い業績が回復し、その後の返済を滞ることなく完了することが出来れば金融機関からの評価も徐々に回復することになります。

 

【借換保証制度】

実はリスケジュールとは別の手法として借換保証制度というものがあります。

信用保証協会からの保証付借入金が複数ある場合、これらをまとめて借り換えて一本化することで月々の返済負担を軽減する制度で、中小企業庁が推進しています。

あくまで借換のためリスケジュールではないのですが、実質的に条件変更をすることが出来てしまう制度です。しかも借換と同時に追加の融資を受けることも可能です。

これには中小企業庁のパンフレットが分かりやすいのでそちらをご参照ください。

借換保証制度

中小企業庁HPより引用)

 

【返済不能に陥る原因】

返済が出来なくなる主な原因をご紹介します。ここに気を付けるだけでも回避することが可能かもしれません。

  • 貸借対照表が実態を表していない

融資審査のポイントでもご紹介しましたが、決算書、特に貸借対照表が実際の財務状況とかけはなれていることがあります。もっとも影響が大きいのは回収不能な売掛金や貸付金です。

入ってくるはずのお金が入ってきていないのですから当然資金繰りは苦しくなります。しかし回収不能であることに気づかず、長い間放置されてしまっていることがあります。

 

  • 長期借入金に頼り切っている

一時的な資金不足に陥るのは主に運転資金の不足によることが多いでしょう。運転資金は経営状況によってその都度必要な金額が変化していきます。

長期安定的な資金調達のために長期的な融資を受けることは決して悪いことではありません。しかし借入金は用途によって使い分けるべきなのです。

毎月状況の変化する運転資金に対して、毎月固定額を返済する長期借入金は実は相性があまりよくありません。運転資金は必要なときに必要な額だけを借り入れることが理想です。つまり短期の方がよいのです。

もし可能であれば、運転資金は銀行と当座貸越契約を結ぶことが出来れば一番よいと思います。

 

 

 

こうした資金ショートや返済不能といった事態を避けるため、埼玉、群馬、茨城、栃木、東京などの関東圏を中心に当事務所(埼玉県久喜市)では財務顧問資金繰り改善支援といったサービスを行っています。

お気軽にご相談ください。

 

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