融資を受けるためにはどれくらい自己資金を用意しておくべき?

自己資金イメージ

【自己資金で融資限度額が決まる】

前回のコラムで自己資金の金額によって融資限度額がおおむね決まってしまうと少し触れました。

融資する側である金融機関等の立場で考えてみれば、自身は1円も準備せず大金を貸してくれという申込みではやはり厳しい目にならざるを得ないのです。

どれくらいの自己資金があればよいのかという基準は明確にはないのですが、資金総額のだいたい3分の1程度は少なくとも自己資金があった方がよいといわれています。

つまり自己資金:融資=1:2くらいの割合ですね。

これも必ずしも自己資金が3分の1なければいけないというわけではなく、事業の性質や準備や計画をきちんと行うことで緩和されることもありますが、一応の目安としては考慮しておくとよいでしょう。

自己資金の割合が3分の1未満になると廃業率が高まるというデータもあるようです。自己資金が多い方がしっかりと準備されている場合が多いので、そういった意味でもある程度自己資金がある方が融資審査の点でも有利に働くでしょう。

 

【自己資金の範囲】

さて、自己資金とはどこまでを言うのでしょうか。

実は意外と幅広く自己資金として捉えてもらえます。

具体的には以下のような資金です。

 

  • 融資希望者ご自身の資金

当然ながら、ご自身が働いたりして稼いで貯めたお金は自己資金ですね。

 

  • 親族や友人などからの援助

例えば創業するにあたって、親族や友人などから資金提供をしてもらい、特に返済の必要のないものは自己資金として扱えます。

 

  • 親族からの借入

これは厳密には自己資金ではないのですが、自己資金と融資の中間的な存在です。親族からの借入は返済スケジュールもある程度融通が効いたり、そもそも返済期限があまり決まっていなかったりと自由が効く場合が多くなります。

他の金融機関等からの借入よりは親族からの借入の方がやや自己資金感が強まります。場合によっては自己資金として扱ってもらえることもあるかもしれません。

 

 

一方で、注意しなければならない自己資金もあります。

具体的には以下のような資金です。

 

  • タンス預金

いわゆるタンス預金で、コツコツと現金で貯めてそれが数百万円になっているような場合です。

ご自身でコツコツ貯めてきていたのであれば自己資金であるといえるのですが、それが現金だとすると少し問題が生じます。

これをまとめて自己資金として自身の口座に預け入れるとすると、本当に自己資金なのかそれとも一時的に借りてきたお金を預け入れただけなのかの区別がつかなくなってしまうのです。

見せ金といい、融資を受けるために自己資金があるかのように見せかける行為があり、それを疑われてしまいます。

そのためタンス預金がある場合には融資を受けようとするかなり前から預金口座に預けておく必要があります。

 

  • 株式や保険などの金融商品

株式や保険などは確かに金銭的価値があるものです。しかし自己資金として扱うためにはきちんとお金で用意しなければなりません。最近では仮想通貨もそうですね。

どれだけ価値のある株式や保険でも、融資審査の場では認めてもらうことは難しいでしょう。

確実なのは換金してお金にしておくことです。

 

 

融資審査の場では自己資金がどれだけあるかは重要な要因の一つなのできちんと準備しておきたいものですね。

 

 

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